速く廻る指をつくるには

 

はやく廻る指をつくるには

～ピアノ奏法の基礎より～

 

ピアノを　はやく弾ける能力は、

人によって肉体的な限界があることは確かなようです。

速く弾くということは、精神的にだけでなく、

筋肉や神経の強さにもよるので、

当然、速くひけないひとも出てくるのです。

また、異常なスピードでひける人は、それだけ確実なテクニックをもっているといえます。

しかし、生徒のなかには、

稲妻のようなはやさで弾けるのに、

それ以外のことは何一つ、まともにできないひともいるから

指がよく廻ることを過大評価する必要はありません。

 

速度をつけることについては、

生徒によって、すばやく習得する人と　

大きな忍耐力と耐えざる努力の結果、やっとそれを習得する人とがいます。

したがって、

早さをつけるのに堅苦しい規則や、

手っ取り早い方法は　無いのです。

 

速く廻る指をつくる一番大切なことは、

手からムダな力を抜いて、

腕を空中に漂わせるように

ラクに保って弾く習慣をつけることです。

筋肉を固くすることと、速くひくことは、

根本的に相容れないのです。

私は（筆者）、速く弾くことが得意でした。

しかし、私の師であるサフォノフが私にやらせたおおきな間違いは、

私が得意なことばかりを強調させたことです。

彼は、大きなテクニックの速い曲ばかりを与え、

その反対の静かな、ゆっくりとした深みのある曲をじゅうぶんに与えてくれなかったのです。

あなたたちは、自分の弱いところをのばすように勉強しなければいけません。

得意なことは、放っておいても自然にのびていくものですから。。。

 

 

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